ゴブリンスレイヤー アニメ版12話 レビュー 勇者の旅が終わったその後を描く物語

2019年1月6日

ゴブリンスレイヤー12話を見終わった。BPOにPTAの役員様方が指摘したように全体を通しては確かにエログロな部分もあったし、そこまで乳を強調しなくてもいいのではないかと思う部分も多かったが全体的には良作だった。正直BPOにクレームを言う暇な人たちって、なんで作品を見てないんだろうなぁという感じである。見たらもっと建設的な意見が出そうなものだ。

閑話休題

本作の筋はやはりエログロというよりも、やはり冒険者たちの普通の生活を描いているところにあるのではないかな、というのが最終話を見た感想だ。物語では勇者は主役じゃないし何なら、物語の途中で悪の権化を倒してしまう。

よくファンタジー世界では勇者や人智を超えたものが指名を与えられ、それを達成していくさまが主眼として描かれるわけだが、その一方で脇を彩る無数の一般の冒険者たちがその後どうなるのか、普段どうしているのか描かれることはない。

本書の魅力はゴブリンというファンタジー世界では基本的に弱者としてしか描かれないモンスターの脅威を弱者がどのように受けているのかというところにこだわって描き切ったことによって生まれる、描かれるはずのない一般の冒険者たちや普通に暮らす人々の生活にあるのではないかと感じた。

主人公であるゴブリンスレイヤ―も別に普通の人間だ。物語の世界では高位の冒険者である彼だが、彼の功績は幼き頃のあるトラウマにから、ゴブリンをこの世から消すことを目的にのみ活動を続けてきた、その功績によるものであり、彼が一般の冒険者より極だって優れているわけではない。

人智を超えた力を使えるわけでもなく、彼はゴブリンを倒すために、名軍師さながら、地図を開き作戦を練り、倒すためにおあつらえ向き武器までそろえ望んでいく。別にレベルが上がって急に強くなるようなこともない、怪我もすれば死にそうにもなるいたって普通の人だ。どちらかと言えば、我々人間がファンタジーの世界に降り立った時どのようにその脅威と立ち向かっていくのか身近になって感じられるような趣すらある。

周囲の人間も決して超人的ではない。もちろんファンタジーの世界だから魔法も使えれば、人間ではない人間と対話できる種族もいるわけだが、物語はそういった人間たちの超人的な部分を意図的に描くようなヒロイックな演出はしない。

描くのは彼らの俗物的なよくや悩みだ。ゴブリンスレイヤーと同じ行為の冒険者たちはゴブリンを倒すことで功績をあげた彼を尊敬とも嫉妬とも取れない目で見ているし、世界を救った女神は過去にゴブリンに襲われた恐怖から今でもおびえている。

このような形で徹底してファンタジーな世界のファンタジーでない部分をち密に描き上げているのだ。冒険者として生きなければいけなかったらどうなるのだろう。そんなことを感じさせてくれるような魅力がある。

こんな魅力が感じられるのが特に12話の最後である。ゴブリンスレイヤーとして物語の世界では序列3位という高位の冒険者である主人公が、既知の人間を守るためにゴブリンの軍勢を倒した後に発した「俺は冒険者になりたいんだと思う」という言葉この作品のすべてを表しているように思う(もちろん小説版や漫画版はその先をえがいているのだけれど)

昨今のおれつぇえ系にはない、悲惨さ、この世の無常さ、人間の愚かさみたいなものが描かれているところもいい。主人公が夢想する様に嫌気がさしているという人にもぜひ見ていただきたい作品である。

現在放送は終了しているがdアニメストア等一部の動画配信サイトでは引き続き放映されているので気になったら見ていただきたい。

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