年収100万円の豊かな節約生活術 レビュー 頭を自由に働かせればどうにか生きていけるものだ

2019年1月6日

年収100万円の豊かな節約生活術の著者は山崎寿人という男性だ。だが、ただの男ではない。彼の経歴は得意だ。本書の内容をそのまま取るならば、彼は東大出身で一時は大手企業の広報、参議院議員の側近として活躍したという超エリートな経歴を持っていた。

だが、あるとき、何とはなしに働きたくなくなり、そこから20年にわたり、基本働かず暮らした。要するにプータローをしていたのである。しかも幸せに。

本書は彼が働かずにいたにも関わらず、幸せに暮らしていたのかその秘訣が書かれている本である。

ちなみに、親からマンションを受け継いだ、多少働いていた時の貯金があるというだけで、彼は別に何ら財テクを駆使していたわけではない。文字通りい本当にほとんど働かなかった。しかしながら、彼は自分が本書執筆じも幸せに暮らしているという。

その秘訣が本書にはつづられているのだ。(本の中で、2015年にプレジデントオンラインのインタビューに答えているがそれからは表舞台に立っていないようだ)

実際のところ、本書に書かれていることは多岐にわたるものの、大きく分けると二つの内容に要約されるだろう。

一つは自分が本当に必要なものをしっかり吟味して選ぶということである。確かに多くのハウツー本で書かれている内容だ。大体断捨離とか副題がついているかもしれない。だが、実際こんなことを気軽にできるだろうか。

生活に余裕があれば、実際にいらないものも欲しくなるはずだし、それが資本主義社会を回しているのも事実だろう。だが、働かないという手段を取り、資本主義社会のレールから外れてしまった山崎は平和に幸せに暮らしていくために、偏執的ともいえるレベルで、自分に必要かどうかを徹底的に吟味していく。

結果として山崎は、料理が好きで、食べることが好きな山崎は大型の冷蔵庫やパスタマシンを購入したり、食品調達のための原付も購入し、細々としたお金で、彼の知人である有名企業で年収8桁近くを稼ぐ者たちからもうらやまれるような悠々自適な暮らしを手に入れた。酒が好きとのことで、酒はさすがに飲めないだろうと思ったが、そこもしっかり考えた。

定期的に料理を作り、パーティを開催するそうである。その時に友人、知人たちが手の届かないような高級な酒を持ってきてくれるんだとか。飲む量自体は少なくなったようだが、酒にはうるさくなる。なんともうらやましい。

さて、少し話がずれた。本書の骨子のもう一つは人間徹底して頭を動かせばどうにかなるということである。繰り返しになるが、本書で山崎が行っている節約術は実際のところ、どの節約本にも書かれているようなレベルの内容だ。

ほしいものを選ぶ、食事は自炊する、極力無駄なお金は使わない。とだが、無職だからか時間のある山崎はこうした思考を徹底して行い、実行に移していく。それで一つの本になってしまうのだから、そのすごさたるやすさまじいものがある。

お金がなければ困るのは何より体が不健康になった時だ。そこに関しても山崎は抜かりない。自分がどこが弱いのか、何にお金がかかるのか徹底的に調べ上げ、歯をきれいに保つためには少々痛手だが、高額のフロスマシンを購入したりすることで対処していく。

本書で描かれているのはこうした100万円以内で豊かに暮らすための実践なのである。もちろん本書の著者山崎氏のように、ぎりぎりの生活を行うことは単に体の健康以外にもメンタル面でも非常に不安があることも事実だ。

だが、本書は年100万円ほどで暮らしている人がどのような方策を取っているのか、その具体例がこれでもかと乗せられている作品だ。そしてそれは誰にでもできるものである。本書は非常にわかりやすい文体で誰にでもわかりやすいように、山崎氏の考え方がわかるだけでなく、すぐにでも実践に移すことができる一作だ。

自らの生活に少しでも疑問を持っているというかたは是非一度手に取っていただきたい。